ヘアカラー剤の健康リスクと安全な使用方法 - アレルギー予防と肌トラブル対策ガイド

ヘアカラー剤の健康リスクと安全な使用方法 - アレルギー予防と肌トラブル対策ガイド


ヘアカラーによるトラブルを防ぎましょう!

ヘアカラーをした後にかゆみやはれ、赤み、ブツブツなどの症状が出たことはありませんか?
これらの症状は、残念ながらヘアカラー剤によるアレルギー反応や刺激反応の可能性があります。

ヘアカラー剤に含まれる化学物質、特にパラフェニレンジアミン(PPD)という成分が、敏感な方にはアレルギー反応を引き起こすことがあります。
このような反応は、初めてカラーリングをする方だけでなく、何度もヘアカラーをしている方にも起こり得ます。時間が経つにつれてアレルギーが発展することもあります。

症状には、頭皮のかゆみ、赤み、はれ、ブツブツや水ぶくれが含まれます。これらの症状は、カラーリング直後だけでなく、数日後に現れることもあります。

もし、これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
また、今後のヘアカラーには、アレルギー反応を起こしにくい成分を含む製品を選んだり、パッチテスト(小さな肌の領域で事前に試すテスト)を行うことをお勧めします。

美しい髪色は素敵ですが、何よりもまずはご自身の健康と安全を最優先に考えてくださいね。

 

ヘアカラーが原因で起こる皮膚トラブルは2種類あります

ヘアカラーによる皮膚トラブルを避けるためには、事前の準備と注意が重要です。お話ししたように、ヘアカラー剤が原因で起こる主な皮膚トラブルは「アレルギー性接触皮膚炎」と「刺激性接触皮膚炎」の2種類です。

  1. アレルギー性接触皮膚炎は、特定の成分に対する過敏反応で、接触してから24~48時間後に全身に症状が現れることがあります。これは免疫系の反応によるものです。

  2. 刺激性接触皮膚炎は、皮膚が化学物質に直接刺激されることで発生し、接触した部分に限定され、接触後すぐに症状が現れることが一般的です。

ヘアカラートラブルの原因としては、1剤の酸化染料に対するアレルギー反応や、1剤と2剤の薬剤が化学反応を起こす際の刺激が挙げられます。

トラブルを避けるためには以下のポイントを守りましょう:

  • パッチテストの実施:ヘアカラー剤を使用する前に、少量の製品を肌に塗布してアレルギー反応がないかを確認するテストです。通常、耳の後ろや内側の腕に少量を塗り、24~48時間様子を見ます。赤み、かゆみ、腫れなどの症状が現れた場合は使用を避けてください。

  • 製品の選択:敏感肌用やアレルギー反応を起こしにくい成分を含むヘアカラー剤を選ぶことも有効です。

  • 専門家のアドバイス:不安がある場合は、美容師や皮膚科専門医に相談するのが良いでしょう。


美容院でのカラーリングの際も、事前にアレルギー歴や敏感肌について美容師に伝えておくことが重要です。

 

ヘアカラー使用時の皮膚トラブル予防と頭皮の保護

パッチテストの実施方法とヘアカラー剤の使用時の頭皮ケアについてご説明します。

パッチテストの方法

  1. テスト液の作成:ヘアカラー剤の1剤と2剤を指定された比率で少量混ぜ合わせてテスト液を作ります。
  2. 塗布:綿棒などを使用して、この液を二の腕の内側に10円硬貨大に薄く広げます。液が自然乾燥するように、何も覆わない状態にします。衣服に液が付着しないように、必要に応じて絆創膏やテーピングをすることもあります。
  3. チェック:塗布後30分後と48時間後の2回、テスト液を塗った部分を確認します。発疹、発赤、かゆみ、水疱、刺激などの症状が出た場合は、すぐに洗い流します。特にお肌の弱い方やアレルギー体質の方は、30分以内で反応が出ることもあるため、異常を感じたら直ちに洗い流してください。


頭皮の保護

ヘアカラー剤の使用時は、頭皮を守るために以下のポイントを考慮しましょう:

  • 保護剤の使用:フッ素系の成分が含まれる保護剤を使用することが望ましいです。これらの保護剤は、ヘアカラー剤による刺激やダメージから頭皮を保護し、カラーリング時の不快感を軽減する効果があります。

  • 正しい使用方法の守り:ヘアカラー剤の説明書に記載されている使用方法や時間を厳守し、推奨される時間を超えて放置しないようにしましょう。

  • 頭皮の状態をチェック:カラーリング前に頭皮の状態を確認し、傷や炎症がある場合は、カラーリングを避けるか医師に相談してください。

 

アレルギーや敏感肌対策としてのヘアカラー選択肢

ヘアカラーを楽しむためのアレルギーや敏感肌対策として、「ヘアマニキュア」と天然植物由来のカラーリング剤「ヘナ」や「草木染め」がありますが、それぞれに注意点もあります。


ヘアマニキュア

ヘアマニキュアは、髪の表面に色素を吸着させ、コーティングする方法です。酸化染料を使用しないため、従来のヘアカラー剤によるトラブルがある方や、お肌が敏感な方にとっては良い選択肢になります。しかし、ヘアマニキュアでもアレルギー反応を引き起こす成分が含まれている可能性があるため、使用前にパッチテストを行うことが重要です。


ヘナと草木染め

ヘナや草木染めは天然植物由来のカラーリング剤で、化学物質を使用しないため、安心・安全と考えられがちです。しかし、これらの天然成分でもアレルギー反応を引き起こす可能性があります。例えば、森林で痒みを感じたり、漆によるかぶれ(漆まけ)の経験がある方は特に注意が必要です。これらのカラーリング剤を使用する前にも、自前でパッチテストを行うことが推奨されます。


パッチテストの重要性

ヘアマニキュア、ヘナ、草木染めを含め、どんなカラーリング剤を使用する場合でも、パッチテストを行うことで、肌へのリスクを最小限に抑えることができます。パッチテストは、製品が肌に合っているかを事前に確認する簡単で効果的な方法です。

どのカラーリング方法を選択するにしても、肌と髪への優しさを優先し、自分の肌質や過去のアレルギー反応に注意を払うことが大切です。そして、トラブルが起きた場合は、直ちに専門家のアドバイスを求めることが重要です。

 

カラーリング剤の人体に及ぼす影響について

カラーリング剤の人体への影響についての重要な情報をお伝えします。


カラーリング剤の種類

まず、カラーリング剤には大きく分けて以下の種類があります。

  1. 永久染毛剤(医薬部外品):ヘアダイやヘアカラーがこれに該当します。このタイプの染毛剤は、髪の内部に浸透し、長期間色を保持します。
  2. 半永久染毛料(化粧品):ヘアマニキュアがこれに含まれます。髪の表面に色を付け、数回のシャンプーで色が落ちる特性があります。
  3. 一時染毛料(化粧品):ヘアスプレーなどがこれに該当し、一時的に髪に色を付け、簡単に洗い流せます。


髪と頭皮へのダメージ

特に永久染毛剤は、髪や頭皮に対してダメージを与えることが知られています。これは、髪のメラニンを分解し、新たな色素を定着させる化学反応によるものです。


経皮吸収とその影響

重要なのは、髪や頭皮だけでなく、人体全体に及ぶ影響です。特に「経皮吸収」という現象が重要です。これは、皮膚が分子量が1000以下の物質を吸収し、体内に取り込む能力を持っていることを指します。

カラーリング剤の成分が頭皮に付着し、経皮吸収によって体内に浸透することがあります。その結果、これらの化学物質が体内に蓄積され、長期間にわたる健康影響を及ぼす可能性があります。


安全性への意識

これらの情報は、カラーリング剤を安全に使用するために重要です。安全な製品の選択、適切な使用方法の遵守、そして必要に応じて専門家のアドバイスを求めることが、健康を守るために重要となります。

カラーリングを楽しむ際には、これらの情報を意識し、適切なケアを心がけましょう。


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ヘアカラー剤の人体への危険性と安全な使用方法

ヘアカラー剤による人体への危険性

  1. 発がん性:酸化染料に含まれるフェニレンジアミンやアミノフェノールは、発がん性が疑われています。これらの化学物質は、DNAに損傷を与える可能性があり、長期間の使用により癌リスクが高まる可能性が指摘されています。

  2. 血液障害:毛乳頭が毛細血管に直接つながっているため、酸化染料からの毒素が血液に入り込み、全身に拡散する可能性があります。これにより微熱、倦怠感、動悸、息切れ、出血が止まりにくいなどの血液障害が発生することがあります。

  3. 皮膚のかぶれ:皮膚への直接接触により、皮膚炎やアレルギー反応が生じることがあります。これは、特に敏感肌の人にとってリスクが高いです。

  4. 失明や視力低下、眼底出血:カラー剤を洗い流す際に目に入ると、含まれるアンモニアやその他のアルカリ成分が眼の健康を損なう可能性があります。

  5. 子宮への危険性:頭皮から浸透した酸化染料は、女性の子宮に蓄積される可能性があり、子宮内膜症や子宮筋腫の増加に関与しているとの指摘もあります。


安全なカラーリングのための対策

  • カラー剤の選択:自然由来成分を主とした製品や、頭皮や髪に優しい成分を含む製品を選びましょう。
  • 頭皮と髪の保護:カラーリング前には保護や補修のためのトリートメントを使用し、カラー後にもトリートメントで髪をケアしましょう。
  • パッチテストの実施:自宅でホームカラーを行う際は、必ずパッチテストを行い、指定された放置時間を守ってください。
  • 正しい使用法:説明書をよく読み、正しい使用方法を守りましょう。


注意点

  • ヘアカラーによるかぶれは、薬剤が直接接触した部分だけでなく、シャンプー後のすすぎ液が接触した部分にも発生することがあります。
  • これまで問題なくヘアカラーを使用していた方でも、突然かぶれることがあります。


美容室での施術やホームカラーの際は、これらのリスクを理解し、適切な対策を取ることが重要です。安全に美しい髪色を楽しむためには、適切な製品選択と使用方法の遵守が不可欠です。

 

 


本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。

監修

高橋正和

高橋正和(美容師/サロン経営者)
30年以上の美容師歴を持ち、その技術と知識で多くの顧客を魅了しています。
全国に展開する美容サロンの経営者としても高く評価されています。
また、カットコンテストでの複数回の優勝や、ヘアーショーへの出演など美容業界に貢献しています。