トリートメントの正しい使い方:すぐに流すべきか、待つべきか?

トリートメントの正しい使い方:すぐに流すべきか、待つべきか?

トリートメントはすぐ流すのか?その効果

トリートメントを使用する際の「すぐ流すか、時間を置くか」という疑問は、美容師としてよく耳にする質問の一つですね。
この質問に答える前に、トリートメントが髪にどのように作用するのかを理解することが大切です。

髪の毛は、基本的にはたんぱく質でできており、その主成分はケラチンという名前のたんぱく質です。
日常生活でのスタイリングや紫外線の影響、シャンプーなどで髪はダメージを受けます。
これらのダメージは、髪の毛の表面にあるキューティクル(髪の保護層)に亀裂が入ったり、剥がれたりすることで起こります。
トリートメントの主な役割は、これらのダメージを補修し、髪の毛を内側から外側までケアすることにあります。

さて、トリートメントを「すぐに流すか、時間を置くか」の部分についてですが、これは使用するトリートメントの種類によって異なります。

  1. インスタントトリートメント:

    • これは名前の通り、髪に塗布した後、すぐに流しても効果がある製品です。シャンプー後、髪に残った水分を軽く切ってから適量を髪全体になじませ、数秒から1分程度で流します。手軽に使用できるので、忙しい朝にぴったりです。
  2. ディープトリートメント:

    • こちらは、髪の内部まで深く浸透し、長時間の効果が期待できる製品です。適量を髪全体になじませた後、5分から10分程度時間を置いてから流します。時間を置くことで、トリートメントの成分が髪の深部まで浸透し、より高い補修効果を発揮します。


では、なぜ時間を置く方がいいのでしょうか?それは、トリートメント成分が髪の内部に浸透し、キューティクルを修復し、水分や栄養を補給するための「時間」が必要だからです。ただし、あまりに長時間置きすぎると髪に負担をかけることもあるので、製品に記載された推奨時間を守ることが重要です。

面白いのは、トリートメントをすることで、髪が「食事をする」ようなイメージです。
髪の毛にも「お腹がいっぱいになる時間」が必要で、その時間をしっかりと与えることで、髪は元気と輝きを取り戻すのです。

トリートメントの効果を最大限に引き出すための小技を一つ。
トリートメントを塗布した後、温かいタオルで髪を包んでから時間を置くと、温熱効果でキューティクルが開き、成分の浸透がより促進されます。
まるで、スパトリートメントのような贅沢な時間を自宅で簡単に体験できるわけです。

トリートメントは、髪の毛にとっての「スペシャルケア」。
日々のケアにプラスして、適切なトリートメントを行うことで、髪の健康を保ち、美しい髪をキープすることができます。

 

お風呂でトリートメントを付けて放置をするいい方法はある?

お風呂でトリートメントを効果的に使うための方法は、日々のバスタイムをリラックスタイムに変えつつ、髪に最高のケアを提供する素晴らしい機会です。
以下に、トリートメントをお風呂で放置する際の効果的な方法を紹介します。

トリートメントのお風呂での放置方法

  1. 正しいトリートメントの選択:

    • まずは、自分の髪質に合ったトリートメントを選びましょう。乾燥している髪には保湿効果の高いもの、ダメージが気になる場合は補修効果のあるものが適しています。
  2. シャンプー後の髪をきれいにする:

    • シャンプーで髪と頭皮の汚れをしっかりと洗い流しましょう。トリートメントの前に髪を軽くタオルドライして、余分な水分を取り除くと、トリートメントの成分が髪に浸透しやすくなります。
  3. トリートメントの塗布:

    • 適量のトリートメントを手に取り、髪の中間から毛先にかけて丁寧に塗布します。根元や頭皮に直接塗る必要はありません。特にダメージを受けやすい毛先には、しっかりとなじませましょう。
  4. 温熱効果を利用する:

    • トリートメントを塗布した後、温かいシャワーキャップやタオルを頭に巻いて、温熱効果を利用します。お風呂の蒸気がトリートメントの効果を高め、成分の浸透を促進します。
  5. 放置時間:

    • 製品の指示に従って、5分から15分程度放置します。この時間は、リラックスしてお風呂を楽しむ絶好のチャンスです。
  6. すすぎ:

    • 指定の時間が経過したら、ぬるま湯で髪を丁寧にすすぎます。トリートメントの成分が残らないように、しっかりと流しましょう。

小技

  • エッセンシャルオイルを追加:
    • リラックス効果を高めたい場合は、トリートメントに数滴のエッセンシャルオイル(例:ラベンダー、ローズマリー)を混ぜると、リラックス効果が高まります。


この方法で、お風呂の時間を最大限に活用しつつ、髪に深い栄養を与えることができます。
トリートメントの放置時間は、自分だけのリラックスタイムとして、心身ともに癒しの時間にしましょう。

 

トリートメントを髪に付ける場所のアドバイス

トリートメント

トリートメントを髪に適用する場所についてのアドバイスは、トリートメントの目的と効果を最大化するために重要です。
以下のポイントは、トリートメントを使用する際に考慮すべき重要なアドバイスです。

トリートメントの適用場所に関するアドバイス

  1. 毛先に集中して適用する:

    • 髪の毛先は、ダメージを受けやすく、乾燥しやすい部分です。トリートメントを髪に適用する際は、特に毛先に集中して製品をなじませることが重要です。これにより、分岐や切れ毛の修復、予防に役立ちます。
  2. 髪の中間から毛先へ:

    • トリートメントを髪の根元から塗り始めるのではなく、髪の中間部分から毛先にかけて塗布することをお勧めします。これは、根元は比較的新しく健康な髪であり、トリートメントによる栄養が最も必要とされるのは、髪の中間から毛先にかけての部分だからです。
  3. 根元への適用は避ける:

    • トリートメントを頭皮や髪の根元に直接適用することは、一般に推奨されません。これは、トリートメントが頭皮に残留すると、毛穴を塞いでしまう可能性があるからです。また、根元にトリートメントを適用すると、髪が重くなり、ボリュームが失われる原因にもなります。
  4. 均等に分布させる:

    • トリートメントを髪に適用する際は、手のひらや指の間を使って、製品が髪全体に均等に分布するようにします。特に、髪が長い場合や、厚みがある場合は、製品が均等に行き渡るように注意深く作業を行うことが重要です。
  5. コーミングで助ける:

    • トリートメントを適用した後、広い歯の櫛を使って髪をそっと梳かすことで、トリートメントの製品が髪全体に均一に分布するのを助けることができます。これにより、毛先だけでなく、髪全体が均等にトリートメントの恩恵を受けることができます。

トリートメントを正しい場所に適用することは、髪を健康に保ち、美しい外見を維持するために不可欠です。トリートメントの適用場所に注意を払うことで、髪が過剰に重くなることを避け、最適なヘアケア結果を得ることができます。

 

トリートメント後の丁寧なすすぎが重要な理由

トリートメント後のすすぎ方

  1. 充分な時間をかける:

    • トリートメントをすすぐ際は、製品が髪や頭皮に残らないように、十分な時間をかけてすすぐことが重要です。短時間で済ませてしまうと、トリートメントの成分が髪に残り、頭皮の問題や髪のべたつきの原因になることがあります。
  2. ぬるま湯を使用する:

    • すすぎには、ぬるま湯を使用するのが最適です。熱すぎる水は髪と頭皮にダメージを与える可能性がありますし、冷たすぎる水ではトリートメントの成分が十分に流れ落ちないことがあります。
  3. 指の腹で優しくマッサージ:

    • すすぎの際には、指の腹を使って髪と頭皮を優しくマッサージするようにしてください。これにより、トリートメントの残りがしっかりと洗い流され、頭皮の血行も良くなります。
  4. 流れが髪全体に行き渡るように:

    • 髪をすすぐ際には、髪全体に水が行き渡るように、髪を持ち上げたり動かしたりしながらすすぐと良いでしょう。特に、髪の長い方は、髪が絡まないように注意しながら、髪の内側までしっかりと水が通るようにしてください。
  5. 透明な水になるまで:

    • トリートメントを完全にすすぎ終えたかどうかを確認するためには、すすぎ水が透明になるまで続けることが一つの目安になります。透明な水が流れるようになれば、トリートメントの成分がしっかりと洗い流された証拠です。

 

まとめ

さて、トリートメントについてのお話をいろいろとしてきましたが、ここで改めて、すべてをまとめてみましょう。

まず大切なのは、トリートメントを選ぶときですね。自分の髪質に合ったものを選ぶことが、とっても重要。
乾燥してる髪には保湿効果のあるもの、ダメージが気になる人は補修効果の高いトリートメントを選びましょう。
美容師さんに相談するのもいいですね。自分の髪のこと、意外と見落としがちなので。

そして、トリートメントの使い方。これがまたポイント。
髪の毛先に重点を置いて、中間から毛先にかけて塗っていくのがコツです。
根元に塗ると、髪が重たくなったり、頭皮のトラブルの原因にもなりかねないから注意が必要です。

放置時間にも注目。インスタントタイプならすぐに流してOKだけど、しっかりケアしたいなら、製品に書かれている時間を守って。
でも、長すぎるのも良くないから、その辺りのバランスも大事。

そして、最後にとっても大切なのが、すすぎです。
これ、意外と見落としがち。トリートメントはしっかりとすすがないと、髪に残った成分が逆に髪を重くしたり、ベタつきの原因になったりします。
だから、トリートメント後のすすぎは、丁寧に、しっかりと行うことがポイントです。

髪のトリートメントは、ちょっとしたコツや注意点を押さえるだけで、その効果はぐっとアップします。日々のケアの中で、これらのポイントを意識して、美しい髪を保つ努力をしてみてくださいね。美しい髪は、やっぱり自信につながりますから。

 

 


本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。

監修

高橋正和

高橋正和(美容師/サロン経営者)
30年以上の美容師歴を持ち、その技術と知識で多くの顧客を魅了しています。
全国に展開する美容サロンの経営者としても高く評価されています。
また、カットコンテストでの複数回の優勝や、ヘアーショーへの出演など美容業界に貢献しています。


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