カラーリング後のダメージを最小限に!プロが教える美髪キープ術とケア方法

カラーリング後のダメージを最小限に!プロが教える美髪キープ術とケア方法

 

「せっかくカラーリングしたのに、髪がパサつく、ゴワつく、ツヤがなくなる…」そんなお悩みはありませんか?
大好きなヘアカラーをもっと長く楽しみたいのに、ダメージが気になってしまうという方は少なくないでしょう。

しかし、ご安心ください。カラーリング後の髪のダメージは、正しい知識と日々の適切なケアによって、最小限に抑え、美しく健康な髪を保つことが可能です。

なぜカラーリングで髪が傷むのかという根本的な原因から、プロの美容師が実践するシャンプー、トリートメント、ドライヤーの正しい使い方、さらに日中の紫外線や乾燥から髪を守るアウトバストリートメントの選び方まで、カラーリング後の美髪をキープするための具体的な方法を徹底解説します。

ご自宅でできる集中ケアから、いざという時のサロンケア、そしてカラーの色持ちを良くする秘訣まで、あなたの髪をダメージから守り、理想のツヤと手触りを叶えるための全てがここにあります。
今日から実践できるケア方法で、憧れの美髪を手に入れましょう。

 

カラーリングで髪が傷む原因を知りダメージを最小限に

美しいヘアカラーは気分を高め、魅力を引き出す素晴らしい手段です。しかし、その一方でカラーリングは少なからず髪に負担をかけ、ダメージの原因となることも事実です。せっかく手に入れた美しい髪色も、ダメージによってパサつきやゴワつき、ツヤのなさで台無しになってしまっては残念ですよね。

この章では、カラーリングが髪に与える影響とそのメカニズムを深く理解し、ダメージを最小限に抑えるための基本的な考え方をご紹介します。原因を知ることで、適切なケアへの第一歩を踏み出しましょう。

 

なぜカラーリングで髪はダメージを受けるのか

カラーリングのプロセスは、髪の内部に色を定着させるために、いくつかの化学反応を伴います。この化学反応が、髪の健康状態に大きな影響を与える主な原因となります。

キューティクルの開放とタンパク質の流出

カラーリング剤に含まれるアルカリ剤は、髪の表面を覆うキューティクルを無理やり開く働きがあります。通常、キューティクルは髪の内部を保護する役割を果たしていますが、これが開かれることで、髪の主成分であるタンパク質や水分、脂質が流出しやすくなります。これにより、髪は乾燥しやすくなり、パサつきやゴワつきといったダメージが表面化します。

メラニン色素の分解と髪の強度の低下

カラーリング剤のもう一つの主要成分である過酸化水素は、髪の内部にある天然のメラニン色素を分解する役割を担っています。この脱色作用によって、髪本来の色が薄まり、染料が入り込むスペースが作られます。しかし、メラニン色素の分解は同時に髪の内部構造にも影響を与え、髪の強度を低下させます。結果として、髪は切れ毛や枝毛になりやすくなるのです。

pHバランスの乱れと残留アルカリ

健康な髪と頭皮は、弱酸性の状態を保っています。しかし、アルカリ性のカラーリング剤を使用することで、髪のpHバランスがアルカリ性に傾きます。カラーリング後、このアルカリ成分が髪や頭皮に残ってしまうことを「残留アルカリ」と呼び、これがダメージを進行させる大きな要因となります。残留アルカリは、カラーリング後もキューティクルが開いた状態を維持させ、髪のバリア機能を低下させ続けるため、ダメージが蓄積しやすくなります。

活性酸素の発生

過酸化水素がメラニン色素を分解する過程で、活性酸素が発生します。この活性酸素は、髪の細胞やタンパク質を酸化させ、髪の老化を促進させると言われています。これにより、髪のツヤが失われたり、手触りが悪くなったりする原因となります。

 

ダメージを最小限に抑えるための基本的な考え方

カラーリングによるダメージは避けられないものですが、その影響を最小限に抑えることは可能です。大切なのは、カラーリングの前後、そして日々のケアにおいて、髪への配慮を忘れないことです。

カラーリング前の髪のコンディションを整える

ダメージを最小限に抑えるためには、施術前の髪の健康状態が非常に重要です。髪がすでに乾燥していたり、傷んでいたりすると、カラーリング剤によるダメージはさらに大きくなります。日頃から保湿と補修を意識したケアを心がけ、カラーリングに耐えうる健康な髪を目指しましょう。

美容師とのカウンセリングを徹底する

美容室でカラーリングを行う際は、担当の美容師に髪の悩みや過去の施術履歴を正直に伝えることが大切です。髪の状態に合わせて、適切な薬剤の選定や施術方法を相談することで、不必要なダメージを避けることができます。ダメージレスカラーや前処理剤の活用など、プロの知識と技術を最大限に活かしましょう。

カラーリング直後の適切なアフターケア

カラーリング直後の髪は、非常にデリケートな状態です。この時期に残留アルカリをしっかり除去し、pHバランスを弱酸性に戻すことが、その後のダメージの進行を食い止める上で極めて重要になります。専用のシャンプーやトリートメントを使用し、髪の保護と補修を速やかに行いましょう。

日々のホームケアでダメージを蓄積させない

カラーリング後の髪は、特に丁寧なケアが必要です。洗浄力の優しいシャンプーを選び、保湿成分が豊富なトリートメントやヘアマスクで、失われた潤いや栄養を補給しましょう。また、ドライヤーの熱や紫外線といった外部からの刺激もダメージの原因となるため、アウトバストリートメントなどで髪を保護する習慣をつけることが、美髪をキープするための鍵となります。

ヘアカラー 

プロが実践するカラーリング後の正しいシャンプー方法

カラーリング後の髪は非常にデリケートな状態です。この時期のシャンプーは、ただ汚れを落とすだけでなく、髪のダメージを最小限に抑え、美しい色合いを長持ちさせるための重要なケアとなります。

プロの美容師が推奨する正しいシャンプー方法を実践することで、カラーリング後の髪を健康に保ち、理想のヘアスタイルを維持しましょう。

 

洗浄力の優しいシャンプーを選ぶポイント

カラーリング後の髪は、薬剤の影響でキューティクルが開きやすく、髪内部の色素やタンパク質が流出しやすい状態にあります。そのため、洗浄力の強いシャンプーは色落ちを早めたり、髪の乾燥やダメージを悪化させたりする原因となります。
ここでは、髪と頭皮に優しいシャンプーを選ぶためのポイントをご紹介します。

  • アミノ酸系シャンプーを選ぶ
    アミノ酸系の洗浄成分を配合したシャンプーは、洗浄力が穏やかで、髪や頭皮への刺激が少ないのが特徴です。代表的な成分としては、ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNaなどがあります。これらの成分は、髪に必要な潤いを保ちながら優しく洗い上げ、色落ちを穏やかにする効果が期待できます。

  • サルフェートフリー(硫酸系界面活性剤不使用)を選ぶ
    ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naといった硫酸系の洗浄成分は、非常に洗浄力が高く、泡立ちが良い反面、髪の油分を過剰に奪い、色落ちを早める可能性があります。カラーリング後の髪には、サルフェートフリーと明記されたシャンプーを選ぶことで、色持ちを良くし、髪の乾燥を防ぐことができます。

  • カラーケア用シャンプーを選ぶ
    市販されているシャンプーの中には、「カラーケア用」や「色持ちUP」と記載された製品があります。これらは、カラーリング後の髪に特化した成分(色落ち防止成分、ダメージ補修成分、保湿成分など)が配合されており、髪のpHバランスを整え、キューティクルを保護する効果が期待できます。自分の髪質やカラーの種類に合ったものを選ぶと良いでしょう。

  • 弱酸性のシャンプーを選ぶ
    健康な髪や頭皮は弱酸性です。カラーリング後の髪も、弱酸性のシャンプーを使用することで、キューティクルが引き締まり、髪内部の色素や栄養分の流出を防ぎやすくなります。pHバランスを整えることは、髪のダメージケアにおいて非常に重要です。

 

カラーリング後の頭皮と髪の洗い方

シャンプー選びと同じくらい重要なのが、その洗い方です。カラーリング後の髪は特に摩擦や熱に弱いため、正しい手順で優しく洗うことが、ダメージを最小限に抑え、色持ちを良くするための鍵となります。

  • カラーリング直後は24~48時間空ける
    カラーリング直後は、髪の内部で色素が定着する期間が必要です。この間にシャンプーをしてしまうと、色素が十分に定着せず、色落ちしやすくなります。可能であれば、カラーリング後24時間から48時間はシャンプーを控え、ぬるま湯での予洗いのみに留めることをおすすめします。

  • シャンプー前のブラッシングと予洗いを徹底する
    シャンプー前に、目の粗いブラシで優しくブラッシングし、髪の絡まりをほどき、表面のホコリや汚れを浮かせます。その後、38度以下のぬるま湯で、頭皮と髪全体を2~3分かけて丁寧に予洗いします。予洗いだけで、髪の汚れの約7割が落ちると言われています。これにより、シャンプーの使用量を減らし、髪への負担を軽減できます。

  • シャンプーはしっかり泡立ててから
    シャンプーを直接髪につけるのではなく、手のひらでしっかりと泡立ててから髪全体になじませます。泡立てネットを使用するのも効果的です。泡立てることで、シャンプーが均一に行き渡り、摩擦を減らしながら汚れを浮かせることができます。

  • 指の腹で優しく洗う
    洗う際は、爪を立てずに指の腹を使って、頭皮をマッサージするように優しく洗います。髪同士をゴシゴシ擦り合わせると、キューティクルが剥がれやすくなり、ダメージや色落ちの原因となります。頭皮の汚れを意識し、髪の毛は泡で包み込むように洗いましょう。

  • ぬるま湯で丁寧にすすぐ
    シャンプー成分が髪や頭皮に残ると、トラブルの原因となるだけでなく、髪の乾燥を招くこともあります。シャンプー時間の2~3倍の時間をかけて、根元から毛先まで、ぬるま湯でしっかりと洗い流します。特に、耳の後ろや生え際、襟足などはすすぎ残しが多いので注意が必要です。

  • 熱すぎるお湯は避ける
    熱すぎるお湯は、キューティクルを必要以上に開かせ、髪内部の色素や水分が流出しやすくなります。また、頭皮の乾燥も招くため、必ず38度以下のぬるま湯を使用するようにしましょう。

 

カラーリング後の髪に潤いを与えるトリートメントとヘアマスク

カラーリング後の髪は、薬剤の影響で内部のタンパク質や水分が失われ、非常にデリケートな状態です。このダメージを放置すると、パサつき、ごわつき、枝毛、切れ毛といった深刻なトラブルにつながりかねません。そこで、失われた潤いを補給し、髪の内部からしっかりと補修してくれるトリートメントとヘアマスクの活用が不可欠となります。

シャンプーで汚れを落とした後の髪は、キューティクルが開いており、栄養成分が浸透しやすい状態です。このタイミングで適切なトリートメントやヘアマスクを使用することで、髪の内部にまで美容成分を届け、ダメージを効果的にケアすることができます。

 

ダメージ補修に特化したトリートメントの選び方

カラーリング後の髪には、単に手触りを良くするだけでなく、髪の内部構造に働きかけ、根本からダメージを補修する成分が配合されたトリートメントを選ぶことが重要です。自分の髪の状態や目的に合わせて、最適な製品を選びましょう。

成分で選ぶ

ダメージ補修に効果的な成分を意識して選ぶことで、より効率的なケアが期待できます。

  • 加水分解ケラチン・加水分解コラーゲン:カラーリングで流出しやすい髪の主成分であるタンパク質を補い、髪の強度や弾力性を回復させます。

  • セラミド・CMC成分:髪の内部で細胞間脂質として働き、水分や栄養成分の流出を防ぎ、キューティクルを密着させることで髪のバリア機能を高めます。

  • アミノ酸系成分:髪の構成成分であるアミノ酸を補給し、ダメージでスカスカになった髪の内部を埋めるように補修します。

  • ヒアルロン酸・植物オイル(アルガンオイル、ホホバオイルなど):高い保湿力で髪に潤いを与え、乾燥によるパサつきを防ぎます。特に植物オイルは、髪の表面を保護し、ツヤを与える効果も期待できます。

髪質で選ぶ

髪質によって、トリートメントの重さや配合成分のバランスが異なります。自分の髪質に合ったものを選ぶことで、仕上がりの満足度が向上します。

  • 細い髪・軟毛:重くなりすぎず、ふんわりとした仕上がりを保てる、比較的軽いテクスチャーの製品や、ハリ・コシを与える成分が配合されたものを選びましょう。

  • 太い髪・硬い髪・多毛:しっとりとまとまり、広がりを抑える効果の高い、油分や保湿成分が豊富に配合された重めのテクスチャーの製品が適しています。

  • くせ毛:髪の内部に水分をしっかり閉じ込め、広がりを抑えながらしなやかさを与える、保湿力とまとまり感を重視した製品がおすすめです。

  • 深刻なダメージ毛:上記成分を複合的に高濃度で配合し、集中補修に特化したヘアマスクや、サロン専売品などを検討すると良いでしょう。

テクスチャーで選ぶ

トリートメントやヘアマスクのテクスチャーは、使用感だけでなく、髪へのアプローチにも影響します。

  • クリームタイプ:最も一般的なトリートメントで、髪全体に均一に馴染ませやすく、内部補修と表面保護のバランスが良いのが特徴です。

  • ミルクタイプ:比較的軽めの使用感で、髪に重さを与えずに潤いを与えたい場合や、広がりやすい髪を自然にまとめたい場合に適しています。

  • オイルタイプ:特に乾燥やパサつきが気になる髪に、集中的な潤いとツヤを与えます。ただし、洗い流すトリートメントとしては少なく、アウトバストリートメントとして使用されることが多いです。

 

効果的なトリートメントとヘアマスクの使い方

せっかく良い製品を選んでも、使い方が間違っていては効果が半減してしまいます。正しいステップで丁寧に使用することで、トリートメントやヘアマスクの持つ力を最大限に引き出し、美髪へと導きましょう

トリートメントの正しい塗布方法

トリートメントは、シャンプー後の髪に正しく塗布することで、その効果を発揮します。

まず、シャンプー後、タオルで髪の水分をしっかり切ることが重要です。水滴が垂れるほど濡れていると、トリートメントが薄まってしまい、有効成分が髪に浸透しにくくなります。

適量を手のひらに取り、髪の中間から毛先を中心に塗布します。頭皮にはつけすぎないように注意しましょう。特にダメージが気になる毛先には、念入りに揉み込むように馴染ませます。その後、目の粗いコームで優しくとかすことで、トリートメントが髪全体に均一に行き渡り、ムラなく浸透させることができます。

ヘアマスクのスペシャルケア

ヘアマスクは、トリートメントよりも高濃度の補修成分が配合されていることが多く、週に1~2回のスペシャルケアとして取り入れるのがおすすめです。特にカラーリング直後や、髪のダメージがひどいと感じる時には、集中的に使用すると良いでしょう。

塗布方法はトリートメントと同様ですが、ヘアマスクの場合は、塗布後に蒸しタオルで髪を包み込んだり、ヘアキャップをかぶったりすることで、成分の浸透をさらに高めることができます。温めることでキューティクルが開きやすくなり、美容成分が髪の内部へと深く届けられます。

放置時間と洗い流し方

トリートメントやヘアマスクの効果を最大限に引き出すためには、製品に記載されている放置時間を守ることが大切です。短すぎると成分が十分に浸透せず、長すぎても髪への負担になったり、効果に大差がなかったりすることがあります。

放置時間が経過したら、ぬるつきがなくなるまでしっかりと洗い流します。しかし、洗いすぎは髪に必要な油分まで奪ってしまう可能性があるため注意が必要です。髪がきしまない程度に、丁寧に洗い流しましょう。洗い残しがあると、頭皮トラブルや髪のベタつきの原因となることがあります。

 

ヘアケア

 

ドライヤーの熱から髪を守る正しい乾かし方

カラーリング後の髪は、熱に非常にデリケートです。ドライヤーの熱は、髪の内部の水分を奪い、キューティクルを傷つけ、せっかくのカラーを退色させる原因にもなりかねません。

しかし、濡れたまま放置することも雑菌の繁殖やキューティクルの開きにつながり、さらなるダメージを招きます。ここでは、ドライヤーの熱から髪を守りながら、効果的に乾かす方法をご紹介します。

 

ドライヤー前の準備と注意点

ドライヤーをかける前の準備が、ダメージを最小限に抑える鍵となります。以下のステップを丁寧に行いましょう。

タオルドライでしっかり水気を取る

ドライヤーの時間を短縮するためには、まずタオルドライで髪の水分をできるだけ取り除くことが重要です。ゴシゴシと擦るのではなく、タオルで髪を優しく挟み込み、ポンポンと叩くようにして水分を吸収させましょう。特に毛先はデリケートなので、優しく扱ってください。根元から毛先に向かって、タオルで押さえるように水分を吸い取ると、キューティクルを傷つけずに効率よく水気を切ることができます。

アウトバストリートメントで熱から髪を保護

タオルドライ後、ドライヤーをかける前に必ず洗い流さないトリートメント(アウトバストリートメント)をつけましょう。ヘアオイルやヘアミルクは、ドライヤーの熱から髪を保護し、乾燥を防ぐ効果があります。特にカラーリング後の髪は乾燥しやすいため、保湿成分が豊富なものを選びましょう。適量を手のひらに広げ、毛先から中間、そして根元へと優しくなじませます。つけすぎるとベタつきの原因になるので注意が必要です。

 

髪を早く乾かしダメージを軽減するコツ

ドライヤーの時間を短縮することは、熱によるダメージを軽減する上で非常に効果的です。以下のコツを実践して、賢く髪を乾かしましょう。

根元から乾かし始める

ドライヤーは、髪の根元から乾かし始めるのが基本です。根元は最も乾きにくく、また、根元が乾くことで髪全体の立ち上がりも良くなります。毛先は比較的乾きやすいため、根元を重点的に乾かすことで、ドライヤーの時間を全体的に短縮できます。指の腹で頭皮をマッサージするように、根元に風を送り込みましょう。

ドライヤーの距離と角度を意識する

ドライヤーを髪に近づけすぎると、熱によるダメージが集中してしまいます。ドライヤーと髪の距離は、15cm~20cm程度を目安に保ちましょう。また、ドライヤーの風は、上から下へ、キューティクルの流れに沿って当てるようにします。これにより、キューティクルが整い、ツヤのある仕上がりになります。同じ場所に熱が集中しないよう、ドライヤーを常に動かし続けることも大切です。

温風と冷風を使い分ける

髪を完全に温風だけで乾かすのではなく、温風と冷風を上手に使い分けることで、ダメージを軽減し、美しい仕上がりを実現できます。まず、温風で8割程度乾かした後、仕上げに冷風を全体に当てることで、開いたキューティクルが閉じ、髪の内部に潤いを閉じ込めることができます。冷風は髪のツヤを引き出し、カラーの色持ちを良くする効果も期待できます。

ブロッキングを活用する

髪の量が多い方やロングヘアの方は、ブロッキング(髪をいくつかのブロックに分けて乾かすこと)を活用すると、効率よく乾かすことができます。特に乾きにくい襟足や内側の髪から乾かし始め、徐々に表面の髪を乾かしていくと良いでしょう。これにより、乾かし残しを防ぎ、全体を均一に乾かすことができます。

 

日中のダメージから髪を守るアウトバストリートメント

カラーリング後の髪は、外部からの刺激に対して特にデリケートです。日中の紫外線や乾燥、摩擦といった様々な要因が、せっかくケアした髪にさらなるダメージを与えてしまう可能性があります。アウトバストリートメントは、洗い流さないトリートメントとして、日中の髪を保護し、内部の潤いを閉じ込める重要な役割を担います。適切に活用することで、カラーリング後の美しい髪を長時間キープし、ダメージの蓄積を最小限に抑えることができます。

 

ヘアオイルとヘアミルクの使い分け

アウトバストリートメントには、大きく分けてヘアオイルとヘアミルクの2種類があり、それぞれ異なる特徴と効果を持ちます。ご自身の髪質や求める仕上がりに合わせて使い分けることが、効果を最大限に引き出す鍵となります。

ヘアオイルの特徴と効果

ヘアオイルは、その名の通りオイルを主成分としたトリートメントです。髪の表面をしっかりとコーティングし、ツヤとまとまりを与え、外部からの刺激から髪を守ることに優れています。水分蒸発を防ぐ効果も高いため、乾燥によるパサつきを抑え、しっとりとした手触りを実現します。紫外線や摩擦から髪を保護する効果も期待でき、カラーリング後のキューティクルを健やかに保ちます。

特に、乾燥が気になる髪、広がりやすい髪、しっとりとしたツヤが欲しい場合に適しています。使用する際は、少量から毛先を中心に馴染ませ、つけすぎるとベタつきの原因になるため注意が必要です。

ヘアミルクの特徴と効果

ヘアミルクは、水分と油分がバランス良く配合された乳液状のトリートメントです。髪の内部に浸透しやすく、水分と栄養を補給することで、髪の内部から潤いを与え、しなやかで柔らかな質感へと導きます。ベタつきが少なく、軽やかな仕上がりが特徴で、髪に自然なまとまりを与えます。

ベタつきが苦手な方、軽やかな仕上がりが好みの方、軟毛でボリュームを抑えすぎたくない方におすすめです。髪全体に均一に馴染ませることで、パサつきを抑え、指通りの良い髪へと整えます。

状況に応じた使い分けと併用

髪質やダメージレベル、求める仕上がりによって、ヘアオイルとヘアミルクを使い分けることが重要です。例えば、日中は軽やかなヘアミルクで保湿し、夜のドライヤー前にはヘアオイルでしっかり保護するといった併用も効果的です。また、季節や湿度によって髪の状態は変化するため、その時々に合ったアイテムを選ぶ柔軟性も大切です。

 

紫外線や乾燥から髪を守る対策

アウトバストリートメントの活用に加え、日中の環境要因から髪を守るための具体的な対策を講じることで、カラーリング後のダメージをさらに最小限に抑えることができます。

UVカット成分配合のアウトバストリートメントの活用

肌と同様に、髪も紫外線によるダメージを受けます。紫外線は髪のキューティクルを傷つけ、内部のタンパク質を破壊し、カラーの退色を早める原因となります。そのため、外出前にはUVカット成分が配合されたアウトバストリートメントを使用することを強く推奨します。これにより、日中の強い日差しから髪を保護し、ダメージの進行を和らげることができます。

物理的な保護による対策

物理的に髪を保護することも非常に有効な手段です。日差しの強い日には、帽子や日傘を活用することで、直接的な紫外線から髪を守ることができます。また、髪をまとめたり結んだりすることで、風による摩擦や絡まりを防ぎ、キューティクルへの負担を軽減できます。

日中の乾燥対策と保湿ケア

エアコンの効いた室内や乾燥した屋外では、髪の水分が失われやすくなります。日中の乾燥対策としては、持ち運びしやすいミストタイプの保湿剤を携帯し、乾燥を感じたときにシュッとひと吹きして潤いを補給するのがおすすめです。これにより、髪のパサつきを防ぎ、しっとりとした状態を保つことができます。また、静電気の発生も乾燥が原因となることが多いため、保湿ケアは静電気対策にも繋がります。

 

カラーヘア

 

美髪を保つためのスペシャルケアとサロンケア

 

自宅でできる集中ケアアイテム

日々のシャンプーやトリートメントに加えて、週に一度や月に数回取り入れることで、カラーリングで受けた髪のダメージをさらに深く補修し、美髪へと導くスペシャルケアアイテムがあります。通常のケアでは補いきれない部分を集中ケアすることで、髪本来の美しさを引き出しましょう。

導入美容液(プレトリートメント)で浸透力アップ

シャンプー後、トリートメントやヘアマスクの前に使用する導入美容液(プレトリートメント)は、次に使うケアアイテムの浸透を助ける役割があります。髪の表面を整え、栄養成分が内部まで届きやすい状態にすることで、トリートメントの効果を最大限に引き出すことができます。

  • 選び方:髪の内部に働きかけるケラチンやアミノ酸などの補修成分が配合されたものを選びましょう。
  • 使い方:シャンプー後、軽く水気を切った髪全体に塗布し、その後すぐにトリートメントやヘアマスクを重ねて使用します。

頭皮ケアアイテムで健やかな髪の土台作り

美しい髪は健やかな頭皮から生まれます。カラーリングによる頭皮への負担を軽減し、血行を促進することで、これから生えてくる髪を健康に育むための頭皮ケアも重要です。

  • スカルプエッセンス・頭皮用美容液:洗髪後の清潔な頭皮に直接塗布し、マッサージすることで血行を促進します。保湿成分や育毛成分が配合されたものがおすすめです。
  • 頭皮クレンジング:週に1〜2回、シャンプー前に使用することで、毛穴の詰まりや古い角質を除去し、頭皮環境をリセットします。

ナイトキャップで就寝中の摩擦ダメージから保護

就寝中の摩擦は、キューティクルを傷つけ、切れ毛や枝毛の原因となります。シルク製のナイトキャップを使用することで、髪と枕の摩擦を軽減し、寝ている間のダメージから髪を守ることができます。また、乾燥からも髪を守り、朝起きたときの髪のまとまりやツヤを向上させる効果も期待できます。

 

プロに任せるサロンでのダメージケア

自宅でのケアだけでは限界があると感じる場合や、より集中的なダメージ補修を求める場合は、プロの美容師によるサロンケアが非常に効果的です。専門的な知識と技術、そして高機能な薬剤によって、髪の内部から徹底的にダメージを修復し、美髪への最短ルートを歩むことができます。

システムトリートメントで内部から徹底補修

サロンで行われるシステムトリートメントは、複数の工程に分かれた薬剤を段階的に使用することで、髪の内部に深く浸透し、ダメージを根本から補修します。失われたタンパク質や水分を補給し、キューティクルを整えることで、手触りの良い、ツヤのある髪へと導きます。カラーリング後の髪のパサつきやゴワつきが気になる方には特におすすめです。

  • 効果:髪の内部補修、キューティクル保護、ツヤ・まとまりの向上、色持ちのサポート。
  • 頻度:カラーリング後や、髪のダメージが気になる時に、1〜2ヶ月に一度のペースで受けるのが理想的です。

ヘッドスパで頭皮と髪の健康を促進

ヘッドスパは、頭皮のクレンジングやマッサージ、トリートメントを組み合わせたケアです。カラーリング後のデリケートな頭皮環境を整え、血行促進により、健やかな髪の成長をサポートします。リラクゼーション効果も高く、ストレス軽減にもつながります。

  • 効果:頭皮の血行促進、毛穴の汚れ除去、頭皮の保湿、リラクゼーション、髪のハリ・コシアップ。
  • 頻度:髪や頭皮の状態に合わせて、月に一度程度の利用がおすすめです。

自宅でのスペシャルケアとプロによるサロンケアを上手に組み合わせることで、カラーリングを楽しみながらも、常に美しい髪をキープすることが可能です。自分の髪の状態やライフスタイルに合わせて、最適なケア方法を見つけていきましょう。

 

カラーリング後のダメージに関するよくある質問

 

カラーリング後すぐにできるダメージケアは

カラーリング直後の髪は、薬剤の影響でキューティクルが開いた状態にあり、非常にデリケートです。この時期のケアが、その後の髪の健康を大きく左右します。

まず、シャンプーはカラーリング専用の弱酸性で洗浄力が穏やかなものを選びましょう。洗浄力が強すぎると、せっかく入れた色素が流出しやすくなるだけでなく、頭皮や髪に必要な油分まで奪ってしまい、乾燥やダメージを悪化させる原因になります。洗う際は、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗い、髪同士の摩擦を最小限に抑えることが重要です。

シャンプー後は、すぐにダメージ補修効果の高いトリートメントやヘアマスクを使用し、開いたキューティクルを閉じて栄養を閉じ込めるイメージでケアしてください。特に毛先はダメージを受けやすいため、毛先を中心にしっかりと揉み込み、製品に記載された放置時間を守ることで、より効果を高めることができます。

そして、洗髪後は自然乾燥は絶対に避け、できるだけ早くドライヤーで乾かすことが大切です。濡れた状態の髪はキューティクルが開いていて無防備なため、ダメージを受けやすいだけでなく、雑菌が繁殖しやすい環境でもあります。ドライヤーを使う際は、タオルで優しく水分をしっかり吸い取ってから、ドライヤーの熱が一点に集中しないように振りながら、冷風も活用して完全に乾かすように心がけましょう。

 

カラーリングの色持ちを良くする方法は

カラーリングした髪の色持ちを良くするためには、日々の適切なケアと外部からの刺激から守ることが不可欠です。

最も重要なのは、カラーケア専用のシャンプーやトリートメントを使用することです。これらの製品には、色素の流出を防ぐ成分や、髪のpHバランスを整えてキューティクルを保護する成分が含まれています。特に、カラーシャンプーを週に数回取り入れることで、退色によって失われがちな色素を補給し、美しい髪色を長持ちさせることができます。

また、熱によるダメージも色落ちの大きな原因となります。シャワーの際は、熱すぎるお湯ではなく、ぬるま湯を使用し、ドライヤーも低温設定で、髪から少し離して使用しましょう。ヘアアイロンやコテを使用する際も、必要以上に高温に設定しないこと、そして使用前に必ず熱保護効果のあるアウトバストリートメントをつけることが重要です。

紫外線も髪の退色を早める大きな要因です。外出時は、UVカット効果のあるヘアスプレーを使用したり、帽子や日傘を活用して、髪を紫外線から守りましょう。また、プールの塩素や海水の塩分も色落ちやダメージの原因となるため、入る前には髪を濡らしておく、終わったらすぐに洗い流すなどの対策をしてください。

これらの対策を日常的に行うことで、カラーリング後の美しい髪色をより長く楽しむことができます。

 

まとめ

カラーリング後の髪のダメージは、日々の適切なケアによって最小限に抑えることが可能です。一時的なものと諦めるのではなく、ご紹介したプロのテクニックを取り入れることで、色持ちの良い美しい髪を長く楽しむことができます。

洗浄力の優しいシャンプーで色落ちと乾燥を防ぎ、ダメージ補修に特化したトリートメントやヘアマスクで内側から潤いをチャージしましょう。また、ドライヤーの熱から髪を守る正しい乾かし方や、日中の紫外線・乾燥から髪を守るアウトバストリートメントの使用は、キューティクルの損傷を防ぎ、ツヤと手触りを保つ上で非常に重要です。

これらのケアを習慣にすることで、カラーリングによるダメージを効果的に軽減し、理想のヘアカラーを長持ちさせることができます。今日からできることばかりですので、ぜひ実践して、指通りの良い、輝くような美髪をキープしてください。

 

 


本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。

監修

高橋正和

高橋正和(美容師/サロン経営者)
30年以上の美容師歴を持ち、その技術と知識で多くの顧客を魅了しています。
全国に展開する美容サロンの経営者としても高く評価されています。
また、カットコンテストでの複数回の優勝や、ヘアーショーへの出演など美容業界に貢献しています。


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